机の上に転がしておいても芽が出て花が咲く、横着者にもってこいみたいな
球根の花コルチカム。10〜11月が花どきです。 サフランに似たこの花の標準
和名はイヌサフランといいます。
同じような名ですが、クロッカスのサフランとは全く別な植物です。
イヌサフラン【犬さふらん】
Colchicum autumnale ユリ科イヌサフラン属
小平市薬用植物園にて(2002年10月) Y.Sashida
ヨーロッパ原産の多年草で、園芸名のコルチカムの方が一般的な名ですが、秋に
なると地表にいきなり花が咲き出すのでよく知られています。
花は直径 5〜 6cm の六弁花で色は淡紅紫色が普通ですが白花種もあり、雄しべ
の先(葯:花粉の出るところ)は黄色、雌しべは白色で先が3つに分かれていま
す。 花の後に花茎が伸びて高さ20cm ほどになり、やがて実を結びます。
葉は春になってから束になって出てきますが、果実はそのまま夏を迎え、やがて
黒く熟します。 変わった経過をたどる花ですね。
球根(鱗茎)は径 4〜 8cm ぐらいある大きなものですが、てっぺんからは芽が
出ないのです。 底の方から2本の花芽が出て、それぞれの芽に 2〜 3輪の花が
咲きます。
球根や種子に、コルヒチンというアルカロイドが含まれていますが、このコルヒ
チンは染色体を倍加する作用があるのだそうで、植物の改良・育種用の薬品とし
て使われ、そのための栽培も行われているようです。
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